東日本橋レディースクリニック

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低用量ピル

 
ピルには様々な種類があり、費用負担という面で考えると、自費と保険の二種類に分かれます。
「月経困難症」という病名が付く方は保険でのピルとなります。それ以外の「生理不順」や「PMS」の治療目的、「避妊」という目的であれば自費でのピルとなります。
 

自費診療のピル

 
特に持病や既往症のない方であれば、血圧測定や問診のみで処方します。
(前兆を伴う片頭痛や、喫煙本数が多い方など、処方できない場合もあります)
 

当院で扱っているお薬

  • ラベルフィーユ(トリキュラーの後発品)
  • ファボワール(マーベロンの後発品)

 
料金 院内処方にて1か月3000円(税込) 初診料・再診料込
 

保険診療のピル

 
こちらは生理痛がひどい方に処方するピルです。
(前兆を伴う片頭痛や、喫煙本数が多い方など、処方できない場合もあります)

生理痛がひどい原因として、子宮内膜症の可能性がありますので、内診での超音波検査、もしくはMRI検査をおすすめします。
 
内診検査がどうしても受けられない方は、当院スタッフまでご相談ください。
 

当院で扱っているお薬

  • ルナベルLD(後発品:フリウェルLD)
  • ルナベルULD(後発品:フリウェルULD)
  • ヤーズ
  • ヤーズフレックス
  • ジェミーナ

 
フリウェルULDとヤーズフレックスは院内処方にてお渡ししていますので、薬局に寄らずにお薬の受け取りが可能です。
(院内処方と院外処方を同時にできないため、他に処方薬がある場合には、全て院外処方となります。)
 

ピルのメリット

 
生理痛が楽になる、生理不順が治る、生理前の調子の悪さが改善する、以外にもメリットがあります。
 
●卵巣がん、子宮体がんのリスクを下げる
ピルを服用することで、卵巣がんや子宮体がんのリスクを一定程度下げられます。
 
●ニキビの改善になる
ピルを半年ほど使用すると、皮膚科で処方されるような抗生物質と同程度の治療効果が出てきます。そのため、ニキビの改善につながります。
 
 

ピルのデメリット

 
●軽い吐き気
ホルモン剤の特徴として軽い吐き気が出ることがありますが、飲んでいるうちに改善することが多いため、吐き気がつらいものでなければ継続して服用してみてください。
 
●少量の不正出血
飲み始め2~3か月は少量の出血がみられることがありますが、継続して飲んでいるうちになくなることがほとんどです。
 
●体重増加
「体重が2~3kg増えた」という方がまれにいますが、確率は非常に低いため、それほど心配する必要はないでしょう。
 
●血栓症
確率は非常に低いものの、心筋梗塞や脳梗塞といった血栓症が見られることがあります。前兆(目の前がキラキラしたり)を伴う片頭痛のある方はピルを内服できないため、ご相談ください。
 

飲み忘れたらどうすればいいですか?

・1日飲み忘れた場合:気づいた時点ですぐに1錠内服し、さらにその日の1錠も予定通りに内服して下さい。
 避妊の為に:同じ周期に既に飲み忘れがある場合、または前の周期の最終実薬週に飲み忘れがある場合は、緊急避妊薬を検討して下さい。
 
・2日以上飲み忘れた場合:気づいた時点ですぐに直近のものを内服し、残りは予定通りに内服して下さい。
 避妊の為に:7錠以上連続して内服するまでコンドームを使用するか、性行為を避けてください。
 1)第1週に飲み忘れた場合:休薬期間または第1週に性交を行った場合には緊急避妊を検討して下さい。
 2)第2週に飲み忘れた場合:直前7日間に連続して正しく服用できていれば、飲み忘れがないピルとしての避妊効果があります。
 3)第3週に飲み忘れた場合:休薬期間を設けず、現在のシートの実薬を終了したらすぐに次のシートを始めてください。
 
心配な場合は、緊急避妊の相談にいらしてください。
 

生理は移動できますか?

 ピルの最終週のは偽薬(薬の効果がない粒)があり、それを飲むことによって生理が来ます。そのため、そこで生理が来たら困る場合には、偽薬を飲まずに実薬を飲んで生理を遅らせることも可能です。
新しいシートの実薬部分を継続してもらい、そろそろ生理が来てもいいタイミングになったら、もともとの偽薬に戻ってください(生理を動かすために飲んだ実薬が含まれる新しいシートに関しては、月経移動の為だけに使うことになります)
 

何歳から飲めますか?

初経が来ていれば内服可能です。海外では14歳以上からニキビ治療にて処方されています。若いうちからピルを内服することで、骨の成長に影響する可能性がありますが、15歳前後で身長が固まるため、15歳ころからピルは内服していいことになります。
 

産後はいつから開始できますか?

出産後に排卵が再開するまでには、授乳中の方だと最短で73日、授乳していない方だと25日という報告があります。そのため、産後にピルの内服を考えることも選択肢の一つとなります。
 
産後のピル内服に当たって考える問題は、赤ちゃんへの影響と、上で説明した「血栓症」のリスクとなります。
 
赤ちゃんへの影響:授乳中にピルを内服することによる赤ちゃんへの長期にわたるリスクはハッキリしていません。海外のガイドラインでは、産後半年すれば「メリットがリスクを上回り、おおむね使用できる」とされているため、産後半年してからといのが一つの目安になります。
ただし、リスクがどうしても心配な場合は、避妊に関して子宮の中に入れる「ミレーナ」というのを検討するのも一つの手ですので、一度ご相談ください。
 
血栓症のついて:妊娠していない時の血栓症のリスクを「1」とした場合、妊娠初期・中期に「1.6」、妊娠後期に「8.8」、産後1~6週に「84.0」、産後7週~3カ月に「8.9」、産後4ヶ月~1年に「0.3」となります。特に産後1週は「24.0」、2週は「10.2」、3週は「4.4」、4週は「2.2」、5週は「1.5」、6週は「2.2」と徐々に低下していきます。血栓症のリスクという点で考えると、少なくとも産後3週~4週は経過してから検討した方がいいと言えます。また、赤ちゃんへの影響のところでも説明したように、「ミレーナ」は血栓症のリスクが上がらないため、選択肢として挙げられます。
 

不妊症になりませんか?

長い間、ピルを飲んでも不妊症になることはありません。
妊娠希望があってピルを中止すると、1か月目で21.1%、3か月目で45.7%、1年後で79.4%、2年後で88.3%に妊娠が認められたという論文があります。(ピルを内服していた59,510人が対象)
これは、ピルを内服していない人と比べても同じような妊娠確率です。
 
また、ピルの内服期間が2年以下だった女性では、ピル中止後1か月での妊娠率が25.0%、1年後は81.0%だったのに対し、2年以上内服していた女性では、ピル中止後1か月で妊娠率20.7%、1年後は79.3%と、どちらも同じような確率になっていたことから、長期間での内服も不妊に繋がることはないと言えます。
 

妊娠したくなったら?

上で説明したように、ピルを中止すると、その次の周期から排卵して妊娠する可能性が出てきます。そのため、「もう妊娠してもいい」というタイミングまで飲み続けることをお勧めします。
内服を中止して、1か月以内に生理が再開するのは2~4割ですが、3カ月以内には90%以上で生理と排卵が再開します。

ミレーナ

3cmほどの棒を子宮の中に直接入れ、そこから染み出てくるホルモン剤によって、生理痛を楽にするお薬ですが、避妊にも高い効果を発揮します。
 
ミレーナを入れることで、5年間は避妊せずに過ごすことができます。
 
入れるタイミングは生理が終わる頃がベストです。
 
実寸大のミレーナ


注意点

子宮の中に棒を入れるので、多少痛みが出たり、数か月間不正出血が続いたりすることがあります。
(下からお産をした経験がある方なら、それほど強い痛みが出ることはありません。)
 
また、棒は固定されないので、自然に抜けてしまうこともあります。
 
ミレーナ挿入時に細菌が一緒に子宮の中に入った場合は、強い腹痛の原因となることもあります。
 
また、稀に違和感が続いてしまって、抜去しないといけなくなることもあります。
 
クラミジア・淋菌感染があると、ミレーナ挿入によって、お腹の中にクラミジア・淋菌を広げてしまうリスクがあるため、ミレーナ挿入前にはクラミジア・淋菌の検査が必要です。
(他院での検査結果を持参して頂く形でも大丈夫です)
 

料金

・生理痛で処方する場合 保険適応にて、13,000円程度
・避妊目的の場合 自費にて60,000円(税込)
 

有効期間

基本的には、ミレーナの有効期限は5年間とされていますが、それ以上挿入していた場合について検証したものはこちら。
 
5年以上経過したミレーナについて
 
5年間を過ぎても、8年程度までは高い避妊効果が認められているようですので、経過を見ながら交換時期を相談していく形となります。

ジェノゲスト(ディナゲスト)

 
ピルやミレーナのように生理痛の時に使うお薬です。
排卵を抑え、子宮内膜症が悪化するのも抑える為、生理痛が悪化していくのを予防したり、排便痛・性交痛を抑える効果が期待できます。
 

副作用

最も多い副作用は不正出血です。拭いたら付く程度の少量の出血が頻繁にありますが、内服し続けることで徐々に減っていきます。また、ほてりや吐き気が出ることもありますが、いずれも軽い症状で済むことが多いお薬です
 

注意点

子宮内膜症の種類の一つである「子宮腺筋症」の方が内服すると、副作用としての出血が大量になるリスクがあります。
そのため、子宮腺筋症がある方は、前もって偽閉経療法という治療で子宮を縮めてから、このジェノゲストを飲んでもらうこともあります。
 

費用

先発品 約6,000円(1か月)
後発品 約2,000円(1か月) 
 
 
後発品のジェノゲスト1.0mgは院内処方にてお渡ししていますので、薬局に寄らずにお薬の受け取りが可能です。
 
(院内処方と院外処方を同時にできないため、他に処方薬がある場合には、全て院外処方となります。)
 
 

レルミナ・リュープリン・スプレキュア

生理痛や子宮筋腫に対して、一時的に閉経状態に持ち込む「偽閉経療法」として使う薬です。
 
以前までは、月に一度注射が必要な「リュープリン」や、点鼻薬「スプレキュア」が中心となっていた治療法ですが、2019年より内服薬として「レルミナ」が使用できるようになりました。
 
副作用として骨密度の低下があるため、基本的には半年までしか使えないお薬ですが、骨密度やコレステロールの値を見ながら、継続して使える可能性もあるので、ご相談ください。
 
 
一般的には、閉経が近い方が一時的に症状を改善し、そのまま自然に閉経することを期待する使い方が多くなっています。
 
また、ジェノゲストという薬の説明でも挙げたように、一時的に偽閉経療法で子宮を縮めてからジェノゲストを内服してもらう方法もあります。
 
その他には、点鼻薬で細かく薬の量をコントロールしながら、骨密度が下がらないように治療を続ける方法もあるので、ご相談ください。
 

効果

飲み始めた段階から閉経状態となるため、生理が止まります。
 
それにより、過多月経からくる貧血が改善したり、生理痛が改善します。
 

副作用

閉経状態となるため、ホットフラッシュやイライラなどの更年期症状がでることがあります。
 
更年期症状に対しては漢方薬にて治療します。また、骨密度の低下が見られることもあります。