ミニピル:セラゼッタ
ミニピルとは
一般的ないわゆる「ピル」には、ホルモン剤が二種類含まれています。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの二種類が含まれているのが、日本国内で認可されている「ピル」となりますが、このうちの黄体ホルモンだけで作られている薬が「ミニピル」になります。
国内では、生理痛に対して使うジエノゲスト・ディナゲスト、生理不順に使うデュファストンや、月経移動に使うノアルテンも黄体ホルモンとなりますが、ミニピルとして海外で発売されているものは、デソゲストレルという黄体ホルモンが75μgと、非常に低用量となっています。
低用量ピルであるマーベロン・ファボワールには、デソゲストレルが150μg含まれているため、その半分のホルモン量です。
費用
1か月3,000円(税込・診察費込)
(現在、流通の関係でセラゼッタが入荷しないため、後発品であるアザリアの処方となります)
ミニピルの効果
排卵を抑える効果や、子宮内膜を薄くする効果により、一般的なピルと同様に高い確率で避妊できます。
また、排卵することによって生理前に調子が悪くなる「PMS:月経前症候群」「PMDD:月経前不快気分障害」にも改善効果が期待できます。
ピルの場合には、休薬期間に生理が来るのですが、ミニピルは休薬期間がないため、薬に慣れてくると全く生理が来なくなります。
薬をやめれば、飲む前の状態に戻るので、生理が来なくなることは心配ありません。
一般的なピルに含まれる卵胞ホルモンには血栓リスクを伴うため、喫煙者や片頭痛のある方ではピルのリスクがありますが、ミニピルではそれらのリスクが非常に低くなっているため、ピルが内服できない以下のような方では、ミニピルのほうが安全性が高い薬となります。
・前兆を伴う片頭痛のある方
・40歳以上の方
・35歳以上で1日15本以上喫煙する方
ミニピルのデメリット
不正出血
ジエノゲスト(ディナゲスト)と言った黄体ホルモン製剤にも共通しているのですが、少量の出血が続くことがあります。
内服を続けているうちに徐々に出血しなくなりますが、何か月も出血が続く場合には診察が必要です。
内服時間
毎日ほぼ同じ時間に内服する必要があります。
3時間程度のずれであれば大丈夫ですが、時間がずれるほど、不正出血しやすくなり、避妊効果が落ちることになります。
胃腸症状
気持ち悪さや気分の落ち込みなどが出る事があります。
内服を続けるうちに慣れていくことも多いので、症状がそれほど強くなければ継続して内服してください。
救済制度の除外
国内では承認されていない薬剤となるため、入院が必要になるほど重篤な副反応が出た場合に、医療費が保障される「副作用被害救済制度」の対象外です。
副作用被害救済制度についてはコチラ
副作用が起きる確率
50%以上:不正出血
2.5%以上:落ち込む、頭痛、性欲減退、ニキビ、嘔気、胸の張り、体重増加
0.1~1%:嘔吐、脱毛、コンタクトレンズ不耐症
ミニピルが飲めない方
・肝機能障害のある方
・血栓症の既往がある方
・妊娠中、妊娠の可能性のある方
・デソゲストレル(マーベロン、ファボワール)にアレルギーのある方
・原因不明の性器出血のある方
よくある質問
飲み忘れたら?
・12時間以内に気付いた場合
気付いた時点ですぐに内服して、その日の錠剤もいつも通り内服してください。避妊効果は落ちません。
・12時間以上経過してから気付いた場合
気付いた時点ですぐに内服して、その日の錠剤もいつも通り内服してください。避妊効果が落ちるため、1週間はコンドームなど追加の避妊法が必要です。また、アフターピルの内服も考慮してください。
吐いてしまったら?
内服後3~4時間以内に吐いたり、激しい下痢があった場合には、薬の吸収が落ちる可能性があるため、上記の「飲み忘れ」に準じて対応してください。
飲み始めは?
・生理初日から内服してください。追加の避妊は必要ありません。
・生理2~5日目で内服した場合には、最初の1週間はコンドームなど追加の避妊を併用してください。
他のピルからの切り替えは?
休薬・プラセボを飛ばして切り替えれば、追加の避妊法は必要ありません。
休薬・プラセボを挟んで切り替えた場合は、最初の1週間はコンドームなど追加の追加の避妊を併用してください。
何歳から飲める?
18歳以上であれば内服可能です。18歳未満での報告がないため、ご希望時はご相談ください。
授乳中は?
授乳中の内服は可能です。授乳中に7か月間内服し、2歳半までの児に影響がなかったことが報告されています。
産後はいつから飲める?
産後21~28日の間に開始できます。それ以上経過してから内服する場合は、妊娠してないのを確認の上、内服を開始し、最初の1週間はコンドームなど追加の避妊を併用してください。