生理痛のセルフケア 小伝馬町・馬喰町・馬喰横山・東日本橋駅の婦人科|東日本橋レディースクリニック
生理痛の治療には低用量ピルやジエノゲスト、漢方薬などがありますが、 それ以外にも、体を動かす・温める工夫や、食事・サプリメントで症状が和らぐ可能性が 研究で報告されています。ここでは、そういったセルフケアの方法を研究データとともにご紹介します。
ご紹介する方法は、子宮や卵巣に病気のない「原発性月経困難症」を 対象にした研究に基づく、補助的な方法です。
生理痛が以前より強くなってきた方、鎮痛薬が効きにくい方、生理以外のタイミングでも 痛みがある方は、子宮内膜症などの病気が隠れている可能性があるため、 まずは婦人科での診察をおすすめします。
体を温める・動かす
お腹を温める
生理痛のある学生193名を対象に、何もしないグループ・鎮痛薬を使うグループ・ 下腹部に温熱シートを貼るグループに分けて比較した研究では、8時間後の痛みの強さが、 鎮痛薬のグループと同じくらい温熱シートのグループでも改善していました。 お腹や腰を温めることは、手軽に試しやすいセルフケアの一つです。
体を動かす・マッサージ
ラベンダーオイルを使ったマッサージを2か月間続けたグループと、体幹トレーニング (プランクのように関節を動かさずに行う筋トレ)を8週間続けたグループの両方で、 生理痛の改善が報告されています。また、ストレッチ・ケーゲル運動(骨盤底筋運動)・ ジョギング・リラクゼーションを組み合わせた理学療法を3か月間続けた研究でも、 2か月目・3か月目から痛みの改善が見られました。いずれも即効性があるものではなく、 2〜3か月程度の継続が目安になります。
指圧(ツボ押し)
「合谷(ごうこく:手の甲、親指と人差し指の骨が交わる部分の少し手前)」と 「三陰交(さんいんこう:内くるぶしから指4本分上がったところ)」の2つのツボを 20分間押すことを継続した研究では、生理痛や生理に対する不安の軽減が報告されています。 三陰交だけを生理開始から8時間以内に押した別の研究でも、直後から2時間の間、 痛みが和らいだと報告されています。
ヨガ・ストレッチで整える
ヨガを取り入れる
週2回・30分のヨガを12週間続けた研究、生理前2週間にコブラ・ネコ・魚のポーズを 行った研究など、複数の研究でヨガによる生理痛の改善が報告されています。 中でも、週2回・50分のヨガ(呼吸運動・ポーズ・瞑想を含む)を12週間続けた研究では、 上記のような改善に加え、お腹の張りや胸の張り、冷や汗といった生理前の症状も 軽くなったと報告されており、生理痛だけでなくPMSに対しても効果が期待できます。
ストレッチを続ける
15〜17歳の学生を対象に、1回10分・1日2回・週3回のストレッチを8週間続けた研究では、 上記のような改善に加えて、痛みが続く時間も7.48時間から3.86時間に短縮しました。 1回10分程度なので、生理前後の習慣として取り入れやすい方法です。
食事・サプリメントで工夫する
大豆イソフラボンを摂る
大豆イソフラボンの摂取量が多いほど、進行した子宮内膜症のリスクが低いという 報告があります。ある研究では、イソフラボンの摂取量が最も多いグループは、 最も少ないグループに比べて進行した内膜症のリスクが0.21〜0.29倍でした。 別の研究でも、イソフラボンの摂取によって内膜症のリスクが0.48倍になるという 報告があります。食品安全委員会のデータでは、食品からの大豆イソフラボン摂取量の 上限は1日75mg、サプリメントとして摂取する場合の上限は1日30mgとされています。 生理痛が年々悪化しやすい子宮内膜症の予防という観点からも、 日々の食事に豆腐や納豆などの大豆製品を取り入れるのは良い工夫といえます。
シナモンを摂る
生理初日から3日間、1日1000mgのシナモンを内服した研究では、デンプンのカプセルを 飲んだグループより生理痛が軽くなりました。420mgのシナモンを内服した別の研究でも、 上記のように明らかな差が見られ、吐き気や出血量の減少も報告されています。 鎮痛薬のイブプロフェンと比較した研究では、イブプロフェンほどの即効性はないものの、 デンプンよりは明らかに痛みが軽くなったとされており、胃への負担などで 鎮痛薬を避けたい方の選択肢になりえます。
ジンジャーを摂る
500mgのジンジャーのカプセルを1日3回、生理2日前から生理3日目まで内服した研究では、 生理が始まってから3日間だけ内服した場合と比べて、痛みが続く期間がより短くなったと 報告されています。どちらの飲み方でも、プラセボに比べて痛みの強さは軽くなりました。
ビタミンE・オメガ3脂肪酸を摂る
180mgのEPAと120mgのDHAを含むオメガ3脂肪酸、200IUのビタミンEをそれぞれ単独、 または併用で内服した研究では、プラセボに比べて生理痛の改善が見られ、 特に両方を併用したグループで最も効果が高かったと報告されています。
ビタミンB1・魚油を摂る
ビタミンB1を1日100mg、魚油を1日500mg、それぞれ単独または併用で摂取した研究では、 いずれのグループでも生理痛の強さや持続期間の改善が報告されています。 副作用が少なく続けやすいのはビタミンB1単独で、魚油を併用するとより効果的だった とのことです。PMSに対しても効果が期待できると報告されています。
ピクノジェノールを摂る
1日30mgを2回に分けて内服した研究では、下腹部痛の改善が報告されています。 1日60mgを内服した別の研究では、特に生理痛が強いタイプの方で、痛みの軽減や 鎮痛薬の使用量・使用日数の減少が見られ、その効果は内服を中止した後も 継続したとされています。
レスベラトロールを摂る
赤ワインやピーナッツの薄皮に含まれるポリフェノールの一種です。子宮腺筋症のある マウスを対象にした研究では、子宮の肥大化を抑える効果が確認されています。 ピルの内服だけでは痛みが取りきれなかった方を対象に、ピルに加えて 1日30mgのレスベラトロールを2か月間内服してもらった研究では、 82%の方が生理痛や骨盤痛が完全になくなったと回答しました。子宮内膜症や 子宮腺筋症など、ピルだけでは十分にコントロールしづらいタイプの生理痛に対する 追加の選択肢として報告されています。
これらの生活習慣の工夫やサプリメントは、 低用量ピルやジエノゲストなどの治療と並行して取り入れていただくことをおすすめしています。
持病やお薬との飲み合わせに注意が必要なサプリメントもあるため、 心配な場合は診察の際にご相談ください。
セルフケアを試しても症状がつらいときは、我慢せずご相談ください。
生理痛が強い方、以前よりひどくなってきた方は、一度ご相談ください。
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※本記事の内容は、公益社団法人 日本産科婦人科学会等が示す最新のエビデンスをもとに作成しています。 個々の症状・治療方針については、必ず診察の上でご相談ください。