くり返す腟カンジダに、根拠のある予防法を。
フルコナゾール維持療法(自費診療)
年に4回以上、腟カンジダ症をくり返している方へ。国際的な臨床研究で有効性が確認されている内服維持療法を、医師の診察のもとでご案内しています。カンジダの基本的な症状や通常の治療について知りたい方は、まずカンジダ腟炎のページをご覧ください。
再発性外陰腟カンジダ症とは
腟カンジダ症のうち、年間4回以上症状をくり返すものは「再発性外陰腟腟カンジダ症(RVVC)」と呼ばれます。かゆみや灼熱感、おりものの変化といった症状がその都度治まっても、しばらくすると再燃してしまう方は少なくありません。
都度の腟錠・外用薬による治療だけでは再燃をくり返してしまう場合、症状が出ていない時期から一定期間、計画的に内服薬を継続する「維持療法」が選択肢になります。
まずは乳酸菌ケアもご検討ください
再発予防としては、乳酸菌・ラクトフェリンの摂取による予防(月額2,500円・税込)も選択肢の一つで、副作用の少なさが利点です。乳酸菌ケアを続けても年4回以上の再発が続く場合に、このページでご案内するフルコナゾールの内服維持療法をご検討いただくのがおすすめです。
維持療法の科学的根拠
フルコナゾールによる週1回の維持療法は、プラセボと比較した無作為化比較試験で有効性が確認されており、再発性外陰腟カンジダ症に対する内服維持療法として国際的なガイドラインで取り上げられています。
Sobelらが実施した多施設共同無作為化比較試験(N Engl J Med, 2004)では、導入療法後にフルコナゾール150mgを週1回・6ヶ月間投与した群と、プラセボ群を比較しています。
プラセボ群 35.9%
プラセボ群 27.8%
プラセボ群 21.9%
症状が再燃するまでの期間(中央値)も、フルコナゾール群で10.2ヶ月であったのに対し、プラセボ群では4.0ヶ月と、有意な差が認められました(いずれもP<0.001)。
この結果からも分かるように、治療を継続している間は高い確率で再発を防げる一方、治療終了後は時間とともに再発率が徐々に上昇していくことが分かっています。12ヶ月時点でも無症状維持率がフルコナゾール群のほうがプラセボ群を上回っている点は、治療をやめた後もある程度の予防効果が残ることを示していますが、「一度の治療で完治する」というものではなく、必要に応じて治療の継続や再開を検討する性質のものとご理解ください。
副作用について
同試験では、維持療法期間中に薬剤の中止に至った有害事象の発生率は、フルコナゾール群で2.9%、プラセボ群で1.2%でした。そのうち、明らかにフルコナゾールが原因と判断され中止に至った事例は頭痛による1例のみで、重篤な副作用は報告されていません。肝機能検査は導入療法終了時・3ヶ月後・6ヶ月後に実施され、維持療法中に軽度の肝酵素上昇がみられたのは1%未満の1例のみで、この方も服用を継続できています。
プラセボ群 1.2%
フルコナゾール自体の一般的な副作用としては、悪心・頭痛・腹痛などの消化器症状が知られているほか、一過性の軽度〜中等度の肝酵素上昇が最大5%程度の頻度で報告されています(多くは無症状で自然に改善します)。まれではありますが重篤な肝障害の報告もあるため、当院では服薬中の定期的な診察・体調確認を行っています。
当院で行う内服レジメン
| 導入療法 | フルコナゾール150mgを72時間ごとに3回内服し、症状を寛解させます。 |
|---|---|
| 維持療法 | その後、フルコナゾール150mgを週1回、6ヶ月間継続して内服します。 |
| 効果判定・見直し | 治療期間中は定期的に診察し、症状や副作用の有無を確認しながら継続の可否を判断します。 |
※ 用量・期間は診察時の症状、既往歴、他院処方薬との兼ね合いにより調整することがあります。実際の処方は医師の診察・判断に基づきます。
自費診療となる理由
フルコナゾールは腟カンジダ症の「治療」には保険が適用されますが、再発を防ぐための「維持療法」としての週1回・長期投与は、日本国内では保険適用の対象外です。そのため当院では、ご希望される方に自費診療としてご案内しています。
費用の目安
価格は税込表示です。フルセット(導入+維持6ヶ月分)が最もお得な料金設定です。診察料は上記の薬剤費に含まれています。診察の結果、処方に至らず相談のみで終了した場合は、診察料として別途3,000円(税込)を頂戴します。ジェネリック医薬品の使用有無により金額が変動する場合があります。
お支払い方法
ご来院の場合:現金・クレジットカードがご利用いただけます。
オンライン診療の場合:クレジットカード・銀行振込・PayPayがご利用いただけます。
ご注意いただきたいこと
- 自己判断での開始はできません。 おりものの状態だけでカンジダと自己診断せず、必ず診察・検査で確定診断を受けてください。他の腟炎(細菌性腟症など)でも似た症状が出ることがあります。
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方は使用できません。 フルコナゾールは妊娠中の使用に注意が必要な薬剤です。妊娠を希望されている場合も必ず事前にご相談ください。
- 肝機能に不安がある方、他に内服中の薬がある方は必ず申告してください。 一部の薬剤(抗不整脈薬、一部の睡眠薬・抗凝固薬など)と相互作用があります。
- 治療期間中にまれに頭痛、消化器症状、肝機能値の変動が出ることがあり、当院では定期的な確認を行いながら進めます。
- 他院・他科で処方されている薬がある場合は、お薬手帳をご持参ください。
併用禁忌薬について
フルコナゾールは体内の代謝酵素(CYP3A4など)を阻害する性質があるため、一部の薬剤と併用すると血中濃度が上昇し、重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。国内の添付文書上、次の薬剤を服用中の方には投与できません(併用禁忌)。
| 薬剤名(代表的な製品名) | 主にどのような時に使われる薬か |
|---|---|
| トリアゾラム(ハルシオンなど) | 不眠症の治療に使われる睡眠薬 |
| エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン(クリアミン配合錠など) | 片頭痛発作の治療に使われる薬 |
| キニジン | 不整脈(脈の乱れ)の治療に使われる抗不整脈薬 |
| ピモジド、ブロナンセリン、ルラシドン | 統合失調症・双極性障害の治療に使われる抗精神病薬 |
| アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル | C型肝炎の治療に使われる抗ウイルス薬 |
| アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン | 高血圧の治療に使われる降圧薬 |
| ロミタピド | 家族性高コレステロール血症の治療に使われる薬 |
※ 上記は主な併用禁忌薬の一覧です。この他にも、ワルファリンなどの抗凝固薬や一部の降圧薬・睡眠薬など、併用時に用量調整や慎重な経過観察が必要な薬剤があります。現在服用中のお薬がある場合は、お薬手帳をご持参のうえ、必ず診察時に医師にお伝えください。
ご利用の流れ
ご来院・オンライン診療のどちらでも処方が可能です。ご都合に合わせてお選びください。
来院で処方をご希望の方
- Web予約下部のボタンよりご希望の日時をご予約ください。
- 診察・検査問診と腟分泌物の検査で、カンジダによる再発性腟炎であることを確認します。
- 説明・同意維持療法の内容、期待できる効果と限界、副作用、費用について説明し、ご納得いただいた上で開始します。
- その場でお渡し導入療法分のお薬をその場でお渡しします。お支払いは現金・クレジットカードに対応しています。
- 維持療法・フォロー週1回の内服に移行し、経過に応じて通院しながら6ヶ月間継続します。
オンライン診療をご希望の方
- 公式LINEで申込み下部のボタンよりクリニック公式LINEを友だち追加し、トーク画面からお申し込みください。
- WEB問診・オンライン診察症状や既往歴を確認のうえ、医師がオンラインで診察します。
- お支払いクレジットカード・銀行振込・PayPayからお選びいただけます。
- お薬を郵送ご自宅までお薬をお送りします(送料500円)。
- 維持療法・フォロー週1回の内服を開始し、必要に応じてオンラインでフォローアップします。
くり返す症状にお悩みの方へ
年に何度もカンジダをくり返している方は、まず一度ご相談ください。診察のうえで維持療法が適しているかを一緒に判断します。
参考情報
- Sobel JD, et al. Maintenance fluconazole therapy for recurrent vulvovaginal candidiasis. N Engl J Med. 2004;351(9):876-883.
- 米国CDC 性感染症治療ガイドライン(Vulvovaginal Candidiasisの項)
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「カンジダ腟炎」