東日本橋レディースクリニック

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カンジダとは

カンジダは痒みの原因になる菌です。それほど珍しい菌ではなく、多くの女性が腟内に持っているのですが、普段は菌の数自体が少ないので、症状が出ません。
 
ただ、体調を崩したり、抗生物質を飲むと、本来は腟の中に沢山いるはずの「乳酸菌」が減ってしまい、代わりにカンジダが増えてしまい、痒みの原因となってしまいます。
  

症状

典型的には白い塊のようなオリモノであったり、ヨーグルト状のオリモノが出てきて、デリケートゾーンからお尻周囲にかけて痒くなります。
 
 
ただし、カンジダの菌がまだそれほど多くないと、痒みがあるけれどオリモノが気にならないとか、腟の中に塊となったカンジダが沢山あるだけで、自覚症状としてオリモノ異常を感じない、などの場合もあります。そのため、オリモノに対する自覚症状だけでは、判断できないことも。
 
 
また、デリケートゾーンに対する痒みに対して市販の軟膏を使って、痒みが長引いたときには、肌が荒れてしまって真っ赤になり、痛みが出てくることもあります。
 
初期治療として軟膏を試してもらうのは大丈夫ですが、改善しない場合には早めに受診されることをお勧めします。
 

検査

典型的なオリモノであれば一目見るだけでカンジダだと診断がつきますが、おりもの検査をして他の原因がないか調べることもあります。(痒みの原因として、まれにトリコモナスという病気もあり、これはおりもの検査をしてみないとわかりません)
 

治療

カンジダに効く塗り薬と、腟錠(ご自身で腟の中に入れてもらうタイプの薬:1週間に1回だけ入れるタイプと毎日1回入れるタイプがあります)を使います。
 
連日腟洗浄をするために通院が必要と言うクリニックもありますが、基本的にはご自身で腟錠を使うだけで改善することが多く、当院では連日通院の方針は取っていません。
 
なお、ご自身で腟の中に薬を入れるのが苦手な方や、性行経験のない方には内服薬もあるため、ご相談ください。
 
 

カンジダの内服治療

週に1回腟内に挿入する治療や、毎日1回腟内に挿入する治療に加えて、内服薬にて治療することも可能です。
 
具体的には「フルコナゾール」という薬を150mg(50mgを3錠、もしくは100mg1錠と50mg1錠)1回内服するだけで治療が終わります。(妊娠中は内服薬が使えないので、腟錠で治療します)
 
腟錠での治療と比較すると・・・
 
短期間での症状改善率 腟錠:77% 内服薬:75~83%
長期間での症状改善率 腟錠:84% 内服薬:80~89%
 
と、ほぼ同等の結果です。
 
 
副作用に関しては
 
腟錠:12% ヒリヒリ感、発赤など
内服薬:10~15% 胃腸症状、頭痛など
 
という違いがあります。
 
カンジダの内服治療薬について
 
 
以上のことから、内服薬による副作用さえ出なければ、腟錠ではなく内服薬にて治療することも十分可能です。
 
 

予防

ほとんどのカンジダは、塗り薬・錠剤を使うことで数日で改善します。
 
ただし、治りやすい反面、再発しやすいというのも特徴です。人によっては毎月繰り返すことも。
 
何度も繰り返す場合には、糖尿病が原因となっていることもあるため、しばらく健康診断を受けてない方は、一度は糖尿病の血液検査を受けましょう(当院でも検査可能です。食事制限なしに調べられますので、WEB予約からご予約ください)
 
 
 
腟内には乳酸菌がいるのが正常な状態なので、日ごろからヨーグルトなどの乳酸菌を積極的に摂ることがカンジダ予防につながる可能性はあります。
 
また、クリニックにて乳酸菌の錠剤を取り扱っていますので、お気軽にご相談下さい。
 
料金 乳酸菌 1か月2,500円(税込)
 
 
 こちらは乳酸菌の効果を示す論文です。
 

Randomised clinical trial in women with Recurrent Vulvovaginal Candidiasis: Efficacy of probiotics and lactoferrin as maintenance treatment.

こちらの論文では、カンジダ腟炎を繰り返す48人の女性を2つのグループに分けて検討しています。

全員にクロトリマゾールという一般的なカンジダ治療薬を使った後、一方のグループにはプラセボ(何の意味もない錠剤)を内服してもらい、もう一方のグループには乳酸菌とラクトフェリンの含まれる錠剤を内服してもらいました。
内服量としては、プラセボも乳酸菌・ラクトフェリンの錠剤も、最初の5日間は1日2錠、次の10日間は1日1錠内服し、続く6ヶ月間は毎月10日間連続して1日1錠内服するというスケジュールです。
その結果、最初にクロトリマゾールを投与すると、明らかに症状は改善するのですが、その後の半年間で乳酸菌・ラクトフェリンのグループでの再発率が明らかに低くなったのです。
 
3ヶ月経過後で比較すると、乳酸菌・ラクトフェリングループの再発率33.3%に対して、プラセボは再発率91.7%
 
6ヶ月経過後で比較すると、乳酸菌・ラクトフェリングループの再発率29.2%に対して、プラセボは再発率100%
 
という結果になりました。
 

 
このように、カンジダの再発を乳酸菌の摂取で予防できる確率はかなり高いと言えそうです。
 
 
乳酸菌やラクトフェリンは副作用も少なく摂取できると思うので、カンジダの再発で悩んでいる方は、一度お試しください。