トリコモナス感染
トリコモナスとは
感染経路としては性行為がメインとなります。
トリコモナスに感染すると、カンジダと同様にデリケートゾーンの強い痒みの原因となる事があります。
カンジダに比べれば、かなり稀な感染症ですが、トリコモナスに対する特別な治療薬を使う必要があるので、痒みが強い時にはご相談ください。
検査
おりもの検査によって、1週間後には結果が出ます。
治療
以下のどちらかの内服薬で治療します。
・フラジール内服錠 1日2回 10日間
※内服中にお酒を飲むと非常に強い腹痛が起きる事があるので、治療中の飲酒は禁止です。
・チニダゾール錠 1日1回 1日のみ
※こちらも内服してから3日間は、お酒を飲むと非常に強い腹痛が起きる事があるので、当日から3日間は飲酒禁止です。
治ったかどうかを確認するためには、次回生理の後におりもの検査をする必要があります。
トリコモナス感染が癌のリスクになる?~公式ブログ~
トリコモナスに感染した8,518人を調べたところ、HPVというウィルスに感染しているリスクが1.79倍、高度異形成になるリスクが2.34倍、子宮頸がんになるリスクが5.23倍となっていました。
HPVというウィルス自体は、性行為によって非常に高確率で感染するものではありますが、高度異形成・子宮頸がんに関しては定期的な検査が必要となります。
過去にトリコモナスに感染したことのある方は、定期的な婦人科健診を受けるようにしてください。
トリコモナス症とはどのような病気ですか。何が原因で感染しますか。
トリコモナス症は、腟トリコモナスという目に見えない小さな「原虫(単細胞の微生物)」が、主に性行為などを通じて生殖器に感染することで起こる性感染症です。細菌やウイルスによる感染症とは異なり、原虫が体内で増殖することで強い炎症を引き起こします。男性にも女性にも感染する、非常にポピュラーな性感染症の一つです。
性行為以外でも感染することはありますか。
はい、トリコモナス原虫は生命力が比較的強いため、性行為以外でも感染する可能性があります。具体的には、感染者が使った直後の下着やタオル、寝具の共有、便器、あるいは共同浴場の椅子や浴槽、サウナなどを介して感染するケースが報告されています。そのため、性経験のない方や小さな子供が感染することもあります。
女性がトリコモナス症になると、どのような症状が現れますか。
最も代表的な症状は、腟や外陰部(デリケートゾーン)の「非常に強いかゆみ」です。また、おりものの量が急激に増え、色が泡立ったような黄緑色や黄色になり、悪臭(魚が腐ったような生臭い匂い)を放つのが特徴です。炎症がひどくなると、おしっこの時の痛み(排尿痛)や、性交時の痛みを伴うこともあります。
男性がトリコモナス症になると、どのような症状が現れますか。
男性の場合は、尿道にトリコモナス原虫が感染しますが、多くの場合(約半数以上)は「まったく症状が出ない」か、あっても軽い尿道の違和感や、下着にうっすらと分泌物がつく程度です。しかし、症状がなくても尿の中に原虫が存在しているため、知らないうちにパートナーへ感染を広げてしまう大きな原因になります。
どのような検査でトリコモナス感染が分かりますか。
女性の場合は、膣分泌物(おりもの)を採取して検査を行います。
トリコモナス症は自然に治ることはありますか。
いいえ、トリコモナス症が自然に治る(原虫が体内で自然消滅する)ことはありません。放置すると、女性の場合は炎症が子宮や卵管にまで広がり、将来的な不妊症や流産・早産のリスクを高める原因になります。また、粘膜が傷つくことで、HIVなどの他の性感染症を非常にもらいやすくなるため、早期の治療が不可欠です。
どのような治療を行いますか。お薬を飲めば治りますか。
治療には、トリコモナス原虫を駆除する専用の抗原虫薬(メトロニダゾールなど)を使用します。女性の場合は、内服薬を10日間ほど毎日服用するか、または腟錠を挿入する治療を行います。男性の場合は尿道や前立腺の奥まで薬を届ける必要があるため、必ず内服薬を使用します。
パートナーも一緒に治療する必要がありますか。
はい、必ずパートナーと「同時に」治療を受けてください。どちらか片方だけが治療をしても、もう片方が原虫を持ったままだと、性行為のたびに何度も感染を繰り返す「ピンポン感染」が起きてしまいます。治療が終わるまでは、コンドームの使用にかかわらず、一切の性交渉(オーラルセックスを含む)を禁止する必要があります。
妊娠中にトリコモナス症と診断されましたが、赤ちゃんへの影響や薬の危険性はありますか。
妊娠中にトリコモナス症を放置すると、羊膜に炎症が起きて破水しやすくなり、早産や低出生体重児の出産リスクが高まります。妊娠中の治療について、以前は特定の時期の飲み薬に制限がありましたが、現在は医師の適切な管理のもと、時期に合わせて安全な腟錠や内服薬を選択して治療を行うことができますので、安心してご相談ください。
一度治れば、もう二度と感染することはありませんか。予防法はありますか。
トリコモナス症には免疫ができないため、治療が完了した後でも、原虫を持っている人と接触すれば「何度でも再感染」します。予防のためには、性行為の際には最初から最後まで正しくコンドームを着用することが基本です。また、タオルや下着の共有を避け、家族間で感染が疑われる場合は全員で検査を受けることが大切です。
※当院のトリコモナス症に関する診療、検査および治療方針は、一般社団法人 日本性感染症学会が策定する「性感染症診断・治療ガイドライン」に準拠しています。プライバシーに最大限配慮した環境で、パートナー様を含めた確実な治療をサポートしています。より詳細な情報につきましては、東京都性感染症ナビの公式ページをご参照ください。