精液検査
不妊症における男性側の原因としては、ほとんどが精子の異常であり、これは精液検査で簡単に調べることが可能です。
当院では、最先端の精子分析装置を導入し、即日結果をご説明しています。
通常の精液検査では、精液量、精子濃度、運動率、正常形態率を調べ、WHOの正常精液の基準値と比較します。
それらのデータに加え、当院では「SMI」というパラメータを用いて、精液の状態を評価します。
SMI(Sperm Motility Index)とは
当院で採用しているイスラエルのMES社の精子特性分析機で計測されるパラメータで、運動精子濃度と精子の曲線速度(VCL)から計算される指数です。
SMIと男性不妊症の正の相関は欧米や日本など世界中の学会や論文で立証され発表されており、SMIが高いほど妊娠確率が高くなることがわかっています。
SMIは80以下:低 80-160:中 160以上:高 に分類されます。
なぜSMIが大切か
1mlの精液中に存在する精子の数を精子濃度といい、その中で動いている運動精子の割合が運動率です。
運動精子には、その場だけで動いてたりグルグル回っているものも含まれるのですが、受精に必要なのは真っ直ぐ前進運動する精子だけです。
精液検査の結果で、濃度と運動率が良いのに妊娠しにくい場合は、この前進運動精子濃度や速度が低い可能性が考えられます。
SMIでは、このように前進運動している精子の濃度や速度を評価しているため、単なる濃度や運動率だけでは予測できない受精能力を評価する事が可能であり、妊娠に向けての有用な指標となります。
体外受精のデータとなりますが、受精率はSMI:80未満で35%、SMI:81~160で44%、SMI:161以上で76%と、SMIの値によって大きな違いがあることがわかっています。
費用
自費 6,000円(税込)
検査の流れ
1.事前に検査用のカップをお渡しいたしますので、診察時間内に予約なしでカップを取りにお越しください。
2.ご自宅で採取された精液を2~3時間以内にご持参ください。
(冬季など外気温が低い場合は、服の中に入れるなど、人肌程度に保温してお持ちください)
3.1時間前後で検査結果をご説明いたします。(同意書があればパートナーの方への説明も可能です)
4.精液の状態は日によってバラツキが非常に大きいため、一度の検査だけで結論を出すことは不可能です。1か月前後の間をあけて再検査を受けるようにしてください。