バルトリン腺嚢胞・バルトリン腺膿瘍
バルトリン腺
「腟の近くにしこりができて痛い」という症状の原因としてバルトリン腺膿瘍というものが考えられます。バルトリン腺というのは、腟の近くにある組織で、透明の粘液を分泌し、外陰部を潤す役目があります。腟の入り口近く、お尻に近い方の左右にバルトリン腺はあります。
炎症などが原因でバルトリン腺の入り口が閉鎖すると、分泌液が溜まり嚢胞を形成し、バルトリン腺嚢胞となります。 嚢胞に何らかの菌が感染するとバルトリン腺膿瘍となり、腫れて痛みを伴うため、治療が必要になります。 以前は性行為感染症のやクラミジアや淋菌が多かったのですが、最近では大腸菌など、比較的どこにでもいる菌が多くなっています。
症状
「バルトリン腺嚢胞」
小指くらいの大きさから鶏の卵くらいまで大きくなることもあります。 バルトリン腺嚢胞の場合は違和感程度で痛みを伴うことはありません。
「バルトリン腺膿瘍」
バルトリン腺に感染が起きると、強い痛みを伴い、歩くのも辛くなる場合があります。 自然に破裂して膿が出てくることもありますが、痛みがつらい時には治療が必要です。
治療方法
小さいバルトリン腺嚢胞で、違和感や痛みが無ければ経過観察することが多くなります。
バルトリン腺嚢胞が感染して、バルトリン腺膿瘍となった場合には治療が必要です。
穿刺 針で穿刺し内容物を吸引します。 |
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費用 3割負担にて、約5,000円
造袋(開窓)術 麻酔後、切開して穴をあけ、分泌物の通り道を作ります。 |
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費用 3割負担にて、約12,000円
嚢胞摘出術 |
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バルトリン腺そのものを摘出します。入院が必要になるので、総合病院にご紹介いたします。
針で刺すだけであれば、数分で一番安く済むのですが、その代わりに再発率も高くなります。
そのため、再発を繰り返す場合には、造袋術(開窓術)をオススメします。
造袋術(開窓術)を行っても再発してしまう場合には、摘出術となることが多いのですが、負担も大きくなるため、「リングカテーテル法」を試してみるのも選択肢となります。
リングカテーテル法 |
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造袋術(開窓術)の後に再発する原因は、手術によって作った通り道が塞がってしまうことにあります。
カテーテル法では、通り道が塞がらないように細い管(カテーテル)を留置するして、再発する確率を下げる治療法です。
ピアスの穴を固定するようなイメージなので、1か月以上、小さなカテーテルがバルトリン腺の部分に残ることになります。
費用は、造袋術(開窓術)と同じで、12,000円前後(3割負担)となります。
ご希望時には院長外来をご予約下さい。