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エビデンスに基づく医療情報

子宮筋腫に対するサプリメント
カテキン・ビタミンD・イソフラボンの研究データ

子宮筋腫に対して、手術やホルモン治療以外の選択肢として、サプリメントの効果を調べた研究がいくつか報告されています。カテキン・ビタミンD・イソフラボンについて、それぞれの研究データをもとにご紹介します。

カテキン(EGCG)

緑茶に含まれるカテキンの一種「エピガロカテキンガラート(EGCG)」について、子宮筋腫を縮める効果を検証した研究が2本あります。

ビタミンD+EGCG併用(4ヶ月・毎日2錠)
サプリ内服群 34.7%減少
非内服群 6.9%増大
EGCG単独(4ヶ月・1日800mgの緑茶抽出物)
EGCG群 32.6%減少
プラセボ群 24.3%増大

1本目の研究は、ビタミンD25μg・EGCG150mg・ビタミンB6 5mgを毎日2錠内服した群と、何も内服しない群を比較したものです。対象人数が明記されていないことや、プラセボ群(偽薬を内服する群)との比較ではない点には留意が必要ですが、サプリ内服群で筋腫による症状の重さも改善していました。

2本目の研究は、EGCGのみを対象にプラセボ群と比較したもので、18〜50歳の女性39人(EGCG群22人・プラセボ群11人)が参加しました。EGCG群では出血量の減少、貧血の改善傾向も認められています。1本目の結果と合わせると、ビタミンDを併用しなくても、EGCG単独で子宮筋腫を縮める効果が期待できる可能性があります。

いずれの研究も対象人数が少なく、観察期間も4ヶ月程度と短いため、更なる検証が必要です。ただし、比較的安価で副作用もほとんど報告されていないサプリメントであることから、試してみる価値はあると考えられます。

ビタミンD(子宮筋腫の再発予防)

子宮鏡下で子宮筋腫を摘出した平均年齢37.9歳の女性を対象に、ビタミンDサプリメントによる再発予防効果を調べた研究があります。

術後12ヶ月間、毎日1000IUのビタミンDを内服
ビタミンD群(55人) 再発率が半減
プラセボ群(54人)

ビタミンD群では、再発率が半減しただけでなく、再発した場合の筋腫の大きさも7.7mm小さくなっていました。子宮筋腫は手術後も年単位で再発することが多く、ピルなどのホルモン治療以外に有効な再発予防法が少ない中で、副作用の少ないビタミンDサプリメントは継続して試してみる価値のある選択肢と言えそうです。

イソフラボン

イソフラボンには女性ホルモン(エストロゲン)様の作用があるため、「子宮筋腫が大きくなるのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、研究データを見る限り、その心配は少なそうです。

子宮内膜症のリスクとの関係

イソフラボンの摂取量と子宮内膜症の重症度の関係を調べた研究では、20〜45歳の女性138人を対象に、内視鏡検査で内膜症なし・初期・進行の3群に分け、尿検査でイソフラボン摂取量を評価しました。摂取量が多いグループほど、進行した内膜症が少ない結果となり、最小摂取群と比べて最多摂取群では進行した内膜症のリスクが0.21〜0.29倍でした(初期の内膜症では差がありませんでした)。

別の研究でも、植物性エストロゲンの摂取量別に内膜症リスクを比較しており、イソフラボンで0.48倍、リグナン(ゴマなどに含まれる)で0.66倍、クメストロール(ダイズなどに含まれる)で0.64倍と、いずれもリスクが低くなる結果でした。

子宮内膜症は生理痛の原因の一つでもあるため、イソフラボンの摂取が生理痛の軽減につながる可能性があると言えそうです。

子宮筋腫を大きくする心配はないか

閉経前の女性403人を対象に、1日80〜120mgのイソフラボンサプリメントを2年間摂取してもらい、経腟エコーで子宮内膜の厚さと子宮筋腫を評価した研究があります。結果、イソフラボンサプリメントによる明らかな影響は認められませんでした。

摂取量の目安:食品安全委員会によると、大豆イソフラボンの1日摂取量の上限はおおよそ70〜75mgで、食事からの摂取に加えてサプリメントで追加できる量は1日30mg程度とされています。上記の研究で使われた80〜120mgは、この基準よりかなり多い量ですが、それでも子宮内膜や子宮筋腫への影響は認められませんでした。

以上のことから、一般的な範囲でのイソフラボン摂取によって子宮筋腫が大きくなる心配は、あまりしなくてもよさそうです。

当院での考え方

これらのサプリメントは、手術やホルモン治療の代わりというより、症状が軽い方や、経過観察中の方が試してみる選択肢の一つとしてご案内しています。効果には個人差があり、すべての方に効果があるとは限りません。ご自身の筋腫の状態やライフステージに合わせて、診察の際にご相談ください。

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※本記事の内容は、公益社団法人 日本産科婦人科学会等が示す最新のエビデンスをもとに、当院院長が監修しています。個々の症状・治療方針については、必ず診察の上でご相談ください。