避妊注射
効果について
1年間の妊娠率は、正しい間隔で注射できれば0.2%、注射が遅れる場合を含むと約6%です。
注射後14週までは、避妊に十分はホルモン値が維持されますが、それ以上になると効果が落ち始めます。16週間を経過した場合は、妊娠の有無を確認した上で注射する必要があります。
ジエノゲストやミレーナと同様、生理痛や過多月経が軽くなる可能性もあります。
副作用について
不正出血
最も頻度の高い副作用は不正出血です。
初回注射後3カ月以内に、約30%の方が無月経となりますが、月に11日間を超える少量の不正出血が30%の方にみられます。
連続して使用すると、出血は減少し、2年後には約70%で無月経となります。
注射の中止後、排卵が遅れることがあります。最後の注射の後,約半数の女性で月経周期が6カ月以内に再開し、約4分の3の女性で1年以内に再開します。しかし、排卵が最長で18カ月遅れることもあります。
体重の増加
典型的には、注射の使用開始後最初の1年間に体重が1.5~4kg増える可能性があります。
食欲の変化が原因と考えられているため、カロリー摂取を制限しエネルギー消費を増やすことで対策する必要があります。
気分の落ち込み
一部の研究では、1~5%の割合で抑うつ、または気分の変化が報告されていますが、抑うつが悪化することはない、という報告もあります。
頭痛
頭痛は注射を中止する一般的な理由ですが、重症度は時間とともに低くなる傾向があります。
注射を使用する大部分の女性では頭痛は起こらず、緊張型頭痛または片頭痛は通常悪化しません。
骨密度の低下
注射によってエストロゲン値が低い場合には骨密度が低下する可能性がありますが、骨折リスクが上昇するほどではありません。
ただし、若いうちから長期間使用する場合は、適度な運動を行い、カルシウムおよびビタミンDのサプリメントの摂取がお勧めです。
注射を中止すれば、骨密度は元々の数値に戻ります。
コレステロールへの影響
LDL(悪玉コレステロール)の値が軽度上昇する可能性があるので、定期的な血液検査を受けましょう。上昇したとしても、注射を中止すれば元の数値に戻ります。
救済制度の除外
国内では承認されていない薬剤となるため、入院が必要になるほど重篤な副反応が出た場合に、医療費が保障される「副作用被害救済制度」の対象外です。
副作用被害救済制度についてはコチラ
注射可能な方
18歳以上であれば接種可能です。
・流産または中絶後直ちに可能
また授乳中は分娩後6週間ほどしてから開始できます。
以下の方は接種できません
・妊娠している可能性がある
・1~2年以内に妊娠予定がある
・乳がんや重度の肝臓障害がある
・血栓、脳血管障害、冠動脈疾患の既往がある
・血管障害を伴う糖尿病がある
・35歳以上で1日15本以上喫煙する
・前兆を伴う片頭痛がある
具体的な注射プラン
生理初日から5日間の間に腕かお尻に筋肉注射することで、すぐに避妊効果が期待できます。
それ以外の日程で注射する場合は、妊娠検査薬で妊娠してないことを確認した上で注射し、7日間は別の避妊方法を併用してください。さらに4週間後にも妊娠検査薬で妊娠してないことを確認する必要があります。
妊娠したくなった場合
注射をやめると、生理が正常に戻るまでに約6〜9か月、最長で18か月近くかかる可能性があります。
注射した成分を取り除く方法はなく、自然に体内から消えるのを待つしかないので、妊娠の希望が出てくる場合には、早期に中止する必要があります。
デポプロベラとはどのような避妊方法ですか。
デポプロベラは黄体ホルモンを主成分とする避妊用の注射薬です。筋肉内に注射することで成分が体内に少しずつ放出され、排卵を抑制したり、子宮の入り口の粘液を変化させて精子の進入を防いだりすることで高い避妊効果を発揮します。毎日決まった時間に薬を飲む必要がないため、飲み忘れの心配がないのが大きな特徴です。
避妊効果はどのくらいの間隔で、何回注射すれば続きますか。
1回の注射でおよそ3ヶ月間の避妊効果が持続します。そのため、確実な避妊を継続するためには、3ヶ月に1回のペースで定期的に通院し、繰り返し注射を受ける必要があります。
デポプロベラの避妊成功率はどのくらいですか。
正しいスケジュールで3ヶ月ごとに注射を受けている場合、避妊成功率は99パーセント以上と言われています。一般的な低用量ピルで起こりやすい飲み忘れによる避妊失敗のリスクがないため、医学的な避妊効果の確実性は非常に高い方法です。
注射を打つことで、どのような副作用がありますか。
主な副作用として、不正出血、頭痛、めまい、乳房の張り、気分の変化、体重の増加などが報告されています。これらは体内のホルモンバランスが変化することによるもので、多くは数ヶ月以内に体が慣れて落ち着いていきます。ただし、症状が強く続く場合は医師にご相談ください。
デポプロベラを打つと生理はどうなりますか。
注射を続けていくうちに、多くの女性が生理の回数が減る、または生理が止まるという状態になります。これは薬の作用によって子宮の内膜が厚くならないために起こる正常な経過であり、病気で生理が止まるわけではないため心配ありません。ただし、注射を始めて最初の数ヶ月間は、ダラダラと続く不正出血がみられることがよくあります。
長期間デポプロベラを使用することによるリスクはありますか。
デポプロベラを長期間継続して使用すると、骨密度が一時的に低下するリスクがあると言われています。ただし、使用を中止すれば骨密度は元に戻ることがほとんどです。当院では長期にわたる使用の際、適切なカウンセリングや必要に応じた検査を行い、安全性を確認しながら治療を継続します。
注射をやめたら、すぐに妊娠できるようになりますか。
いいえ、注射をやめてから妊娠できる状態に戻るまでには、少し時間がかかることがあります。個人差がありますが、最後の注射を打ってから排卵が再開するまで平均して約10ヶ月かかる場合があります。そのため、近い将来に妊娠を希望されている方には、この避妊法はおすすめできません。
授乳中でもデポプロベラを打つことはできますか。
はい、デポプロベラは黄体ホルモンのみの製剤であるため、授乳中の方でも使用することができます。卵胞ホルモンを含まないため、母乳の量や質に影響を与える心配がなく、産後の避妊方法として選択されるケースも多くあります。一般的には、産後6週間以降から接種が可能です。
低用量ピルが飲めない人でも、デポプロベラなら使えますか。
はい、年齢や喫煙、前兆のある片頭痛などの理由で、エストロゲンを含む低用量ピルが飲めない方でも、デポプロベラは使用できる場合があります。ただし、重度の高血圧や血栓症の既往がある方など、デポプロベラ自体が使用できないケースもありますので、初診時の問診で医師が安全性を慎重に判断します。
デポプロベラを打っていれば、性感染症も予防できますか。
いいえ、デポプロベラにはクラミジアやHIVなどの性感染症を予防する効果は一切ありません。性感染症の予防には、コンドームの正しい使用が不可欠です。確実な避妊と性感染症予防の両方を行うために、コンドームとの併用を強くおすすめします。