エビデンスに基づく医療情報
子宮頸部異形成(中等度・高度)治療後の再発リスクとは
HPV型・生活習慣との関係を研究データで解説
中等度・高度の子宮頸部異形成を切除治療した後、どのような要因が再発と関係しているのでしょうか。ハイリスク型HPVの型別リスク、切除の状態、喫煙との関係を中心に、研究データをもとにご説明します。あわせて、食生活と子宮頸がんリスクに関する研究もご紹介します。
01治療後の再発率と、主なリスク要因
中等度異形成以上の病変に対してLEEP(ループ状の電気メスで病変部を切除する治療法で、円錐切除の一種です)を行った4,369人を対象とした研究では、6.1%(268人)に中等度異形成以上の再発が認められました。当院ではLEEPや円錐切除ではなく、CO2レーザーで病変部を蒸散させる「レーザー蒸散」を行っておりますが、切除治療とは再発に関わる要因(HPVの型、病変の取り残し、喫煙など)が共通する部分が多いため、参考情報としてご紹介します。
最も大きな再発リスク要因はハイリスク型HPVの感染で、次いで治療時に病変が残ってしまう「残存病変」でした。このことから、治療の際は病変を取り残さないよう、範囲を十分に見極めて処置することの重要性が指摘されています(この点はLEEP・円錐切除に限らず、レーザー蒸散でも共通する考え方です)。
02HPVの型別で見る再発リスク
03再発予防のためにできること
禁煙
喫煙は再発リスクを3.17倍に高める要因の一つです。副流煙(受動喫煙)も同様の影響が考えられるため、ご本人だけでなく周囲の方の禁煙も再発予防につながります。
HPVワクチン接種
HPVワクチンには、すでに生じている異形成そのものを治療する効果はありませんが、治療後の再感染・再発を予防する効果が期待できます。まだ接種していない方は、治療後の接種をご検討ください。
04参考:食生活と子宮頸がんリスクの関係
過去に子宮頸部異形成を指摘されたことのある558人(子宮頸がんの指摘歴がある279人、軽度異形成の指摘歴がある279人)を対象に、食事内容と子宮頸がんリスクの関係を調べた研究があります。
このリスクは、年齢や家族歴、初経年齢、出産回数、腟内感染歴、初交年齢、BMIといった要因を調整しても変わりませんでした。ただし詳細なメカニズムは分かっておらず、対象人数も多くはないため、さらなる検証が必要とされています。野菜・果物をバランスよく摂る生活習慣そのものが健康全般に良いことは確かなので、日頃の食生活を見直すきっかけの一つにしていただければと思います。
当院での考え方
治療後の再発を防ぐには、①レーザー蒸散の際に病変を残さないよう十分な範囲を処置すること、②ハイリスク型HPVの型に応じたフォロー間隔を守ること、③禁煙やHPVワクチン接種といった生活面での対策、この3つを組み合わせることが大切です。治療後の経過観察スケジュールについては、感染しているHPVの型を踏まえて個別にご案内していますので、ご不安な点は診察の際にご相談ください。
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※本記事の内容は、公益社団法人 日本産科婦人科学会等が示す最新のエビデンスをもとに、当院院長が監修しています。個々の症状・治療方針については、必ず診察の上でご相談ください。