子宮内フローラとは

 
人間の腸の中には様々な細菌が多数存在し腸内環境を整えています。
この細菌の集団を腸内フローラと呼んでいます。
 
腸内とは異なり、子宮内は無菌だと考えられていましたが、新たに子宮内にも細菌が存在することが発見されました。
 
妊娠、出産に重要な場所である子宮内にも、腸内フローラと同様に多種多様な細菌が存在するため「子宮内フローラ」と呼ばれています。
 
 

子宮内フローラと妊娠・出産の関係

 
細菌にも様々な種類があり、善玉菌が減るなど、子宮内の状態が乱れると、不妊症や流産、早産の原因となる可能性が考えられます。
 
実際、昨今の研究では、子宮内フローラが乱れが、妊娠、出産に影響があることがわかってきました。
 
妊娠、出産と深く関わっているといわれている子宮内のラクトバチルスに関して以下の結果が論文で報告されています。
 
子宮内フローラ正常群(子宮内のラクトバチルスの割合が 90%以上)と子宮内フローラ異常群(子宮内のラクトバチルスの割合が 90%未満)の女性で分けて妊娠率及び生児獲得率を調べた結果・・・
 
・ラクトバチルス 90% 以上のグループ
　妊娠率 70.6% 、生児獲得率 58.8%
 
・ラクトバチルス 90%未満のグループ
　妊娠率 33.3%、生児獲得率 6.7%
 

 

子宮内フローラ検査とは

 
子宮内フローラ検査とは、腟または子宮内に存在する善玉菌・ラクトバチルス属菌の割合を調べる検査です。
 
綿棒またはピペット(吸引方式採取器具)を用いて腟内擦過物または子宮内腔液を採取し、その中に含まれる細菌の DNAを分析してラクトバチルス属菌の割合を調べます。
 

検査時期

　月経10日目～20日目（その周期は避妊が必要です）
 

検査費用

　自費：48,000円（税込）