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性器ヘルペス

ヘルペスとは

 
性行為などで性器にヘルペスウイルスが感染することにより、引き起こされる感染症のことを言います。
 
厳密には口唇に良くできるヘルペスⅠ型と、性器に良くできるヘルペスⅡ型に分かれていますが、昨今では口唇・性器ともにⅠ型・Ⅱ型ができる事も多く、型による区別はつけなくなっています。


初めて発症する時は、かなり痛みが強く出ることがあります。皮膚がえぐれる「潰瘍」になり、歩行時・排尿時に痛みが伴います。
 
痛みがひどい時には入院が必要になる場合もあります。
 
再発時は、なんとなく違和感を感じるものの、軽い痛みで済むことが多くなります。
 

いつ感染したの?

 
基本的には、性行為にて感染してから数日で発症することが多いのですが、初めて感染しても発症しないままウィルスが潜伏し、後になってから初めて発症することもあるため、厳密に感染時期を特定することは困難です。
 

検査方法

 
痛い部分を見るだけで、おおよその診断をつけることは可能ですが、判断に迷うときは痛い部分を綿棒で拭う検査をすることもあります。
 
 

治療方法

 
抗ウイルス薬を内服または点滴して治療します。それと併せて軟膏も処方することもあります。必要に応じて痛み止めも使いながら、徐々に改善していくのを待つ形となります。
 
ただし、一度体の中に入ったウイルスをゼロにすることは不可能です。
 
そのため、一度ヘルペスに感染してしまうと、体調を崩して免疫力が低下すると再発を繰り返すことがあります。
 
再発する時には、なんとなく違和感を覚えることが多いので、その段階で早めに薬を内服すれば、症状を軽く抑えることもできます。

 
 

ヘルペス再発予防


何度も再発してしまう方には、毎日お薬を飲み続けて、再発の確率を下げる治療法もあります。

 
通常の治療では、バラシクロビル錠500mgを1日2回5日間内服するのですが、再発予防ではバラシクロビル錠500mgを1日1回連続で内服し続けます。
 
再発予防のために内服していても、再発してしまうことはあるため、再発が疑わしい場合には、1日1回の内服から1日2回の内服にて治療を行い、治療後は再び1日1回の再発予防に戻ります。
 
再発予防を1年間継続した場合、以降の継続に関してはご相談となります。
 
費用:保険処方にて、バラシクロビル錠500mg1錠あたり10~20円程度となります。
 

性器ヘルペスとはどのような病気ですか。何が原因で感染しますか。

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって、性器やその周辺の皮膚・粘膜に痛みを伴う水ぶくれや潰瘍(ただれ)ができる性感染症です。主に性行為(性交、オーラルセックスなど)の際に、ウイルスを保有しているパートナーの病変部や分泌物と直接接触することで感染します。口唇ヘルペスを持っている人からのオーラルセックスによって性器に感染するケースも非常に増えています。

どのような症状が現れますか。初めての発症と再発で違いはありますか。

初めて感染して発症した場合(初感染)は症状が非常に重く、数日の潜伏期間のあと、外陰部や腟の入り口に多数の水ぶくれや強い痛みを伴う潰瘍が広がります。激しい痛みでおしっこが出せなくなったり(排尿困難)、足の付け根のリンパ節が腫れ、38度以上の高熱が出ることもあります。一方、再発の場合はすでに体内に免疫があるため、水ぶくれが1〜2個程度と小さく、痛みも軽度で、数日から1週間程度で比較的早く治ります。

男性が感染した場合、どのような症状が出ますか。

男性の場合は、ペニスの亀頭や包皮、幹部、陰嚢、あるいは肛門の周りなどに水ぶくれや浅い潰瘍が現れます。女性の初感染ほど重症化して高熱を出すことはまれですが、やはり初めての発症時は強いピリピリとした痛みや排尿時の痛みを伴います。再発時は「なんとなく痒い」「小さなブツブツができた」程度で済むことも多く、ただの皮膚炎と見落とされがちです。

性器ヘルペスは一度治れば、ウイルスは体内から消えるのですか。

いいえ、治療によって皮膚の症状がきれいに治っても、ヘルペスウイルス自体が体から完全に消え去ることはありません。ウイルスは症状が消えた後、お尻の近くにある神経の根元(仙髄神経節)に移動し、生涯にわたって潜伏し続けます。そして、風邪、疲労、精神的ストレス、睡眠不足、生理前、日焼けなどをきっかけに免疫力が下がると、再び神経を伝って表面に現れ、再発を繰り返します。

どのような検査で診断されますか。すぐに結果は分かりますか。

基本的には、特徴的な水ぶくれや潰瘍の見た目から、婦人科の外来での「視診」で速やかに診断が可能です。より確実な診断を行うために、水ぶくれの中身や潰瘍の表面を綿棒で擦ってウイルスの抗原を検出する「抗原検査(キットによる迅速検査)」を行うことが一般的で、これは数十分程度で結果が分かります。また、過去の感染歴を調べるために血液検査(抗体検査)を行うこともあります。

どのような治療を行いますか。お薬を飲めば早く治りますか。

ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬(内服薬や外用薬)」を使用します。初感染で症状が重い場合は、できるだけ早く抗ウイルス薬の飲み薬を開始することが極めて重要です。早くお薬を飲むことで、痛みの期間を短縮し、病変が広がるのを防ぐことができます。激痛で排尿ができないほど重症化している場合は、入院して抗ウイルス薬の点滴治療を行うこともあります。

何度も再発を繰り返す場合、何か良い対策や治療法はありますか。

年に6回以上など、頻繁に再発を繰り返して精神的・肉体的に大きな負担になっている方には、「再発抑制療法(サプレッシブ療法)」という治療法があります。これは、症状が出ていないときでも毎日少量の抗ウイルス薬を1年間継続して飲み続ける方法です。これにより、再発の頻度を劇的に減らし、万が一再発してもごく軽症に抑えることができるほか、パートナーへの感染リスクを低下させる効果もあります。

パートナーも一緒に治療を受ける必要がありますか。治療中の注意点は何ですか。

パートナーに現在、水ぶくれや痛みなどの症状が出ている場合は、同時に医療機関(男性は泌尿器科や皮膚科)を受診して治療を受ける必要があります。性器ヘルペスは、皮膚に症状が出ているときが最も感染力が強いため、水ぶくれや潰瘍が完全に消えるまでは、コンドームの使用にかかわらず一切の性交渉(オーラルセックスを含む)を絶対に禁止してください。

妊娠中に性器ヘルペスと言われました。赤ちゃんへの影響や出産はどうなりますか。

お母さんが「出産の直前」に初めて性器ヘルペスを発症した場合、産道で赤ちゃんにウイルスが感染し、新生児ヘルペスという命に関わる重篤な病気を引き起こすリスクが高くなります。そのため、出産直前に初感染の症状がある場合や、激しい再発病変がある場合は、安全のために帝王切開での出産となります。ただし、妊娠初期〜中期の感染や、もともと持っていたヘルペスの軽い再発であれば、適切な抗ウイルス薬(妊婦さんにも安全性が高い薬)で治療し、経腟分娩(自然分娩)が可能なケースがほとんどです。

性器ヘルペスを他人にうつさないため、また自分が感染しないための予防法はありますか。

最も重要なのは、自分やパートナーの性器、口元などにヘルペスの症状(水ぶくれ、ただれ、違和感)があるときは、性的な接触を一切行わないことです。また、症状が出ていないときでもウイルスが唾液や分泌物にわずかに排出されていることがあるため、普段からの性行為において最初から最後まで正しくコンドームを着用することがリスク軽減に有効です。また、自身の再発を防ぐためには、規則正しい生活を送り、疲れやストレスを溜め込まない免疫力維持が大切です。


※当院の性器ヘルペスに関する診療、検査および治療方針は、一般社団法人 日本性感染症学会が策定する「性感染症診断・治療ガイドライン」に準拠しています。初めての激しい痛みへの不安や、繰り返す再発のお悩みに対して、プライバシーに配慮しながら最適な抑制療法などの専門的ケアを提供しています。