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エビデンスに基づく医療情報

子宮頸部異形成・子宮頸がんと葉酸の関係
研究データで見る効果と適切な摂取量

子宮頸部異形成や子宮頸がんと、葉酸摂取の関係について、複数の研究報告があります。血中葉酸濃度とリスクの関係、サプリ摂取による改善データ、そして適切な摂取量と注意点について、研究データをもとにご説明します。

01血中の葉酸濃度と、異形成・子宮頸がんリスクの関係

中国人女性2,304人を対象とした研究では、赤血球中の葉酸濃度が最も高い群と比較して、最も低い群では異形成のリスクが2.28倍となっていました。平均21ヶ月の追跡期間中に、軽度異形成から中等度異形成へ進行するリスクは、葉酸濃度が最も低い群で3.86倍という結果でした。中等度異形成以上の病変では、赤血球中の葉酸濃度が低いほど、ハイリスク型HPV感染が多いことも分かっています。

別の研究では、高度異形成と診断された40人、子宮頸がんと診断された65人、病気の診断を受けていない120人を比較したところ、赤血球中の葉酸濃度は「対照群 > 高度異形成群 > 子宮頸がん群」の順に低くなる傾向が見られました。血清中の葉酸濃度では明らかな違いは見られておらず、採血タイミングの影響を受けにくい赤血球中の濃度の方が、評価に適しているとされています。

02葉酸サプリ摂取による改善データ

軽度異形成(CIN1)58人/5mg・6ヶ月摂取後の改善率
葉酸群 83.3%
プラセボ群 52.0%
中等度〜高度異形成(CIN2/3)60人/5mg・12週摂取後の再発率
葉酸群 3.3%
プラセボ群 16.7%

軽度異形成の女性58人を対象に、5mg/日の葉酸を6ヶ月間摂取した群とプラセボ群を比較した研究、また中等度〜高度異形成の女性60人を対象に12週間5mg/日を摂取した群とプラセボ群を比較した研究、いずれも葉酸摂取群の方が良好な結果でした。

03推奨される摂取量と、知っておきたい注意点

これらの研究では葉酸5mg/日という高用量が使われていますが、厚生労働省が定める葉酸の1日摂取量の上限は1mgです。高用量の摂取には、以下の2点に注意が必要とされています。

悪性貧血の見落とし

高濃度の葉酸を摂取すると、ビタミンB12不足による貧血症状が葉酸によって隠されてしまい、発見が遅れることで神経障害につながる恐れがあります。高濃度摂取を始める前に、貧血の有無やビタミンB12濃度を確認しておくことが望ましいとされています。

大腸がんへの影響

大腸腺腫と診断された1,021人を対象とした研究では、1mg/日の葉酸摂取により無茎性鋸歯状腺腫/ポリープ(SSA/P)のリスクが1.94倍に増加したという報告があります。一方、大腸腺腫のない50歳以上791人を対象とした別の研究では、1mg/日の摂取によって大腸腺腫の発生率が0.49倍に低下したという逆の結果も報告されており、現時点では一定の見解が得られていません。

なお、過去に二分脊椎という先天性疾患のお子さんを出産された方に対しては、次回妊娠時の再発予防を目的として、妊娠前から妊娠12週までの期間限定で1日5mgの葉酸摂取が推奨されています。これは異形成対策とは別の文脈での推奨である点にご留意ください。

当院での考え方

以上を踏まえ、異形成対策のためだけに日常的に葉酸5mgを摂り続けることは、現時点では積極的にはお勧めしていません。異形成と診断された場合に、3〜6ヶ月程度の期間限定で葉酸5mgを摂取し、経過を見ていく方法を一つの選択肢としてご案内しています。当院では3ヶ月分4,500円の葉酸サプリ(1日5mg摂取タイプ)を取り扱っており、必要に応じて血液検査でビタミンB12濃度をフォローしながらご案内しています。

ご不安な点や、ご自身の検査結果についてのご相談は、院長外来にて承っております。

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※本記事の内容は、公益社団法人 日本産科婦人科学会等が示す最新のエビデンスをもとに、当院院長が監修しています。個々の症状・治療方針については、必ず診察の上でご相談ください。